謎の話し声

 

10月は怪異を呼ぶのだろうか。昨夜、夜中にトイレに起きた。時刻は1:50 丑三つ時だね、そう思いながら扉を開けたら、階下で話し声がする。

頭に浮かんだのは高齢女性と高齢男性、そして子供の姿だった。高齢女性は諭すように何かを話している。男性と子供は頷いている、そんな感じだ。

話の内容は聞き取れないがともかくトイレへ急いだ。さっき人の声してたよね。でも今真夜中だから、聞き間違いだよね。自分に言い聞かせた。

部屋に戻るときは気にしないようにした。布団に潜ったら、すぐに寝落ちして朝まで忘れてたけど、今日は兄の命日だから、何かあってもおかしくはないと思った。

先祖代々が兄を守ってくれるだろうし、たぶん未婚のまま私も同じお墓に入るだろうから、ちゃんと供養していかないとね。

 

そういえば昨年か一昨年か、10月下旬に同じような怪異があった。それは土曜日の昼下がりで、雨が降っていた。

母の友人がきて玄関で話している声が聞こえる。私の部屋は玄関の真上にあり、声が聞こえるのだ。

母の友人をTさんとしよう、Tさんと母は話に夢中だ。しかし2人の笑い声に混ざって、もう2人女性がいるようだ。つまり玄関に母以外に3人の女性がいて楽しくおしゃべりしている、そんな感じだった。

14:35頃、雨が強くなった。ザアーと辺りの音をかき消すほど雨。そののち、一人の女性の声がしなくなった。あれ?雨が降ってる中、帰ったのかな?それにしても風除室の扉を開けたり閉めたりする音は聞こえなかった。

と思っていたら、もう一人の女性の声が

「おたくは何人住んでいるの?」え?何でそんなことを聞くの?Tさんの友人じゃないの?しかし、Tさんも母もその問いを無視しているかのようだ。

再び「おたくは何人住んでいるの?」それでも2人は答えない。

14:50、再び雨が強くなった。今日はよく降りますこと。数分後、雨は止みかけてきた。

Tさん「じゃあ、また連絡するねー」

お?Tさん帰るのか、風徐室の扉が開閉する音、車に乗り込む音がしてきた。バタン。あれ?1人?変な質問する友人は一緒に帰らないの?

 

夕方、母に今日はTさんの他に2人の女性が来てたけど、変な質問に何で答えなかったの?と聞いたら、顔面蒼白😨

「あんた、何言ってんの。Tさんしかいないよ」

あららー。どおりでおかしいと思ったはずだわ。私は誰の声を聞いたんでしょうか。

 

ちなみに家に1人でいるとき、14:30頃とか、階下からドンッと音がするときがあって、「あ、婆ちゃんが部屋から出てきたか…」ってとっさに思うんだけど、亡くなってるわけで。杖をつく音、けっこうずっとしてたから、なんか未だに婆ちゃんが亡くなった実感ないのかは不明。

先日、従姉の命日で従姉は甘いコーヒーが好きだったというから、淹れたての温かいコーヒーを供えて遺影に向かって言葉をかけてたら、隣の遺影からすごい視線を感じて…婆ちゃん😂 コーヒーは従姉に淹れたんだから、婆ちゃん飲まないでよ!って釘をさしたけど。亡くなっても従姉に優しくないの、やめてよね。

 

従姉は伯母が婚前に産んだ女児だ。伯父は女児を引き取らず、祖母の13番目の子供として育てられたが、祖母はつらく当たり、満足な育児もしなかったという。甘いコーヒーやお菓子も食べたことがないと生前、母に話していたという。

従姉は18歳の若さで白血病で亡くなった。私が産まれる前の話だ。

従姉は寂しく育ったが、父親違いの兄妹が3人いた。いじわるな誰かが幼少期の従姉に本当の母親や兄妹がいることも教えたらしい。残酷な話だ。

毎日のように遊びにくる伯母が実は自分の本当の母親で、私は捨てられたなんて、どういう気持ちでいたのか。

生前の従姉はものすごく大人だった。あの年頃によくある夢見る少女ではなく、病気になったことも悲観してもいなかったと、当時の看護師さん(母の友人)は語った。

自分と同世代の女性が、こんなにもしっかりしていたことにびっくりしたという。

大人びた発言をすると、ませてるとか言われるけど、そういう感じではなかったらしい。

祖母はいじめ抜いて、従姉が亡くなったあと祟られるのを恐れ、供養し始めたが時すでに遅し。そんな後悔をするならば最初から、可愛がっていたら良かったのにね。

従姉は無事にコーヒーを飲めたかしら?

 

兄にお供えしたお菓子も難癖つけて、奪ってなきゃいいな。昨日の夜の高齢女性の声はどことなく祖母に似ていたけどさ…頼むよ婆ちゃん、孫に優しくしてよね!