夢物語 思い出話

 

数年前、通ってた講座で隣あった人が、中学時代の1個上の先輩だった。私の名前を聞いて、「あー〇×の彼女ー!」と言ったとき、やっぱりまだ覚えていたかと舌打ちしそうになった。

小学5年の冬、バレンタインチョコをあげた。ホワイトデーにはお姉さんと手作りしたというクッキーの詰め合わせをもらい、相思相愛みたいな感じになった。彼は1個上だったので、4月からは中学生。

当時、まだお付き合いとかそういうのは一切なかったし、連絡手段も家電しかないし、そう頻繁に会えるわけがなかった。

 

自分が中学生になり、久しぶりに彼に会ったあと、1個上の先輩から呼び出され、「〇×には彼女がいるんだ。お前みたいなやつが仲良くしたらダメだろ」と凄まれたが、「〇×は友達なんですけど…」と否定し、愛とか恋とかよくわからない、チョコあげたけど、友達としての好きなんですよね、言い訳だったけど、先輩は話が通じる人で良かった。

放課後に「お前の彼女の仲間とやらから呼び出しくらったぞ」と〇×に喰ってかかってみたら、

中一のバレンタインで告白されて、好きな人がいると断ったら、泣かれて、渋々付き合うことになったという。あの女は泣いて情に訴えるタイプではない。むしろ逆。

付き合うって、何するの?と純情だった私は彼に聞いてみた。

「放課後一緒に帰ったり、寝る前まで長電話したり、休みの日は一緒に出かけたりするんだって」(35年前の初々しい昭和の思い出話ですw)

「付き合うって、めんどくさいねー!」

同調する〇×。彼は放課後部活があったので、終わるまで待ってるんだそうだ。

帰り道も途中で反対方向に行くので、すぐ帰れる!と思ったら、彼氏なら送っていくべきだと言われたこともあったとか。

長電話も話がないと怒られるし(そもそも毎日会ってるのに何を話せというの。)

休みの日も部活があったり、久しぶりの休みは1人で過ごしたい。〇×の気持ちがよくわかって、辛かった。

2個上の仲良しの先輩と〇×と私とでお祭りに行こうよ計画を立てた。

そしたら、また先輩から呼び出しされてしまう。

祭りは彼女と行かなければならないんだって。めんどくせーなー(´-ι_-`)

しかも私は〇×とはいとこ同士だから交際できないんだと、トンデモ話が飛び出した。ていうかさ、〇×とは付き合う気もない、ただの友達だって説明したよね。

 

しかし、あの連絡網が電話だった、インターネットもない時代にどこから、そういう話を作り出せたのかは不明だった。母親に確認したら、伯母の旦那さんが〇×のお父様と兄弟(義理の兄弟)で、伯母の子供と〇×はいとこ同士だけれども、私とは赤の他人だった。そもそも伯父とは血が繋がっていないし、いとこ同士でも結婚できるんだけど、〇×とは決してそんな仲ではなかった。

中学卒業後、私が20歳のときにたまたま近所のスーパーで遭遇。今どこにいるの?と聞いたら、東京だという。

私は大阪。昨年までは東京の国立市にある専門学校通ってたよ。というと、どこかですれ違ってたかもね!と〇×。相変わらず優しい笑顔が変わってなくて嬉しかった。

 

その〇×を中学時代に好きだったというNさんが、

「昔告白したらさー、好きな人いるから誰とも付き合う気はないって断られてさぁ」だそうで。どうやら昔、好きでも無い女に振り回されたせいで女性不信になったようでした。

Nさん曰く「ちょっと前に同窓会あって、久しぶりに会ったけど全然変わってなくて、今も独身なんだってー!今なら私もイけるかもって思った」とか、だから、そういうグイグイ行くタイプの女性が嫌いなんだよ。可哀想な〇×。

 

そういえば、中学時代も部活のマネージャーしてたSが〇×狙ってたみたいで、

「私にすごく優しいから両思いかも!」って、それはマネージャーだからね。

 

〇×は優しくて大人しそうに見えるから、グイグイ行くタイプの女性に狙われるんだろうな。あのバレンタインに泣き落しした先輩も、顔は本当に可愛いのに性格がブラック。〇×も途中から気がついて、余計に嫌いになったみたいで、最終的に9月に振られたらしいけど。振られたのも私のせいにして、かなり恨まれたなぁ。

 

何で中学時代の話を思い出したかというと、今日の夢に〇×が出てきたから。

昔、告白したら振られたけど、大人になった今なら振り向かせれるかもしれないって強気なの、すごい自信があるNさんがなんか怖かった。

〇×の古傷をえぐるんじゃないかって、〇×が未だに独身で彼女もいないの、何でそうなのかNさんはまったく気がついていないのも、ちょっとね。

 

〇×が健康で長生きしますように。彼なりの幸せを手に入れれますように。