昔へ帰る旅路

 

時折、見る夢がある。たぶん場所はむつ市中央町だが、景色はまだ今現在のような街並みではなく、ほとんど建物が建っていない昔の街並みだ。

 

そこを東に向かって歩いている。今日の夢では右側に水辺があった。海だと思っているが、たぶん田名部川だろう。

何かひと仕事終え、歩いて帰宅していると、中学時代の同級生が映像で現れ、私にお礼を言っては消えるを繰り返していた。

なんだこれ、と戸惑っていると同級生が現れた。

「みんな、〇にお礼を言いたがってた」

はい?知らんがな。卒業して30年以上会ってないし、お礼を言われる義理もない

「ずっと会ってお礼言いたかったみたいだけどさ(お前、同窓会に来ないじゃん)」

あぁ、じゃあ、みんな、亡くなったってやつなの。

「うん、俺も。ありがとな、先に行くわ」

 

同級生が消えたあと、1人で海岸線を歩いていると、見知らぬ男性から声をかけられた。

「何を探してるんだい?」

どうやら下を見ながら歩いていたせいで、何かを探していると勘違いされたらしい。

私はとっさに「別に何も」と答えた。彼はスコップと猟銃を携えていたので、貴方は何を探しているの?と聞いた

男性「俺はセルを探しているんだ」

セル?あぁ、フランス語で塩のことだね、と言うと、

男性「へぇ、セルってフランス語なんだ」

あれ?この人、意味もわからず使ってたの?違和感を覚えたが知らないフリをした。

男性はこの近辺に住んでいるらしい。硬度が40の軟水を汲み上げて販売していると言ったが、勝手に販売したりしていいのだろうかと顔に出ていたらしい

男性「生活のためさ、いろいろ話をしたいから、良かったら家に寄っていきなよ」

川の側に男性の家があった。ためらっていると、後ろから声をかけられた。別行動していた友人だった。助かった!とばかりに友人にすがろうとしたが、そういえば男性は猟銃を持っていたんだ。怪しまれたら背後から撃たれる可能性もある。

男性にお礼を言って、先を急ぐのでと断った。友人においついて、足早に歩く。

友人「あの人、知り合い?」

いや、海岸線を歩いてたら塩を探してるって言ってたけど、なんで猟銃が必要なのか怖くて聞けなかったけど、たぶん追い剥ぎだと思う。

友人「あぁ、あの小屋は山奥にしては立派過ぎた」

それに塩は英語でソルトなのに、セルって言ってたのも怪しかった。セルの意味を知らないで使っていたしさ、たぶんあの人、アメリカ人だよ。

友人「ここカナダだもんなぁ」

チラッと振り返ると、男性の横に女性らしき人間が立っていた。本当にただ話をしたかっただけか、追い剥ぎかはわからない。かかわり合いになるのを避けたほうがいいのはわかりきっていた。くわばらくわばら。おっと、まだ日本の呪いを口にするとは、私もまだ日本の心を忘れてはいないんだなと思いながら、夢から覚めた。

 

いったい私は誰。ちなみに夢の中で男性になってました。茶髪か金髪か、ちょっとクリクリしたパーマっ毛のあるくせ毛で。後から来た友人も男性で上下茶色の作業着みたいなのを着て、自転車をこいでました。

 

夢の場所はカナダ。海岸線。川(硬度40が珍しいと言っていた)、町から町へ続く道だけど、人気がない場所。現れた男性は追い剥ぎか、はたまた優しい不法移民か。しかし、「私」はいったい誰だったんだろう。 

 

最初に歩いてた場所はたぶん、この辺、

国土地理院からお借りした1970年代のむつ市中央町の地図。

+地点は中央町のあの交差点だけど、昔にあったユースホステルが写ってる(緑の屋根)

ユースホステルとは

 

今、マクドナルドがある場所にかつて、「下北ユースホステル」があった。私、9歳の時にこの場所でエレクトーンの発表会があってね。初めて行った記憶が夢の中で蘇っているのかなと。

ただ車で行って、発表会終わって帰ってきたから、町を歩いた記憶はないけれど、よくこの場所の夢を見るのだ。

 

1970年代の古地図(むつ市中央町~大平付近)

左上に運動公園が見える。昭和46年竣工らしい。まだスポーツ広場がないが、林の手前に相撲場がある。

こうして見ると、かなり中央町は変化したなぁと思う。市役所(旧アークスプラザ)付近にはまだ道すらない。

 

変わっていく町並みを記憶しているはずが、夢の中でのパラレルワールドは昔のままだ。私の作り出したパラレルワールドなのか、私が知らない場所も多々あるのは、前世の記憶なのかもしれない。

 

しかし、中央町?からいきなりカナダに飛ぶのは、よくわからない夢でした。